【エピローグ】

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莉里が考えていた、終結の真実。 「華奈は末期の膵臓癌(すいぞうがん)だった。出会ってすぐに、メディカルの涼音が教えてくれたわ。余命は長くて1、2ヶ月。彼女は死を覚悟していた…というより、望んでいた」 「あなた、最初から分かってたのね」 「あの五芒星を見てからね。終わった後、考えてみた。ラブさんがなぜ、あそこまでして華奈を守ろうとしたのか?…その理由をね」 莉里の目が細まり、グラスを持つ手に力が入る。 「理由って…ラブはただ、死なせたくなかっただけじゃないの?」 「凛さん…だっけ。魔女になった代償は、8千人の命。その魔女が、病気じゃなくて、悪魔の手で殺されることを望んだ。代償は…幾らだと思う?」 気楽に相手していた凛のグラスが、唇に触れかけて止まった。 「それが…華奈を救わなきゃならない理由…」 風花にも、その代償は想像すら出来なかった。 恐らく何万、いや…何億かも知れない。 「だよね、ラブさん」 「参った〜❗️そこまで辿り着かれちゃったか」 わざと大袈裟に反応し、その場の空気を和らげるラブ。 「でも…そんな被害は出ていないわ。考えすぎなんじゃない?いつもネガティブなんだから、莉里の悪い癖よ!ねぇ、ラブさん?」 風花も、わざと話をはぐらかそうとする。 「さぁね、それは分からないけど、あの後何も起きなかったのは事実だし…私も考え過ぎたのかもね」 彼女達に、嘘はつけない。 「誤魔化しても無理です、ラブさん。華奈の遺体は見つからなかった。たぶん…どこかで生きてるはず」 莉里の追求は止まない。 「だとしても、病気で長くは生きられなかったはず。あの時も具合が悪くなって…」 莉里の心理を読み、観念したラブ。 「風花さん、無理しなくていいわ。私も間違いなく、代償は支払われるものと思います。だから、華奈さんは…生きてる」 「ラブまでそんなことを。病気を魔術で治したって言うの?でもその代償は何も起きて無いわ」 グラスを一気に飲み干すラブ。 「篠田さん、お代わりお願い」 「代償…ね、鍵は。華奈さんは、悪魔の力を借りて、522人を殺した。では、その代償は何?…華奈は悪魔に殺されることを望んでいた。アイツがそんなものに楽、都合よく力を貸すと思う?」 「なるほどな」 莉里には分かった。 「代償は、彼女の命。ただ…殺すとは…限らない。華奈は…生かされたのよ❗️」 「罪のない者を、可能性だけで殺した。その罪を背負いながら…華奈は生かされた。まさに、究極の代償…か」 莉里も飲み干し、追加をオーダーする。 「死にたくても死ねない地獄。その中で、華奈は生きなければならない。魔力を失い、無力なままで…」 「ねぇ、そこまでにしましょう」 風花も飲み干し、追加を頼む。 「ああ、そうだな。ラブさん、そこまでで、後は私はどうでもいい」 笑顔を見せる莉里と風花。 「あ〜何だか分かんないけど、めんどくさいのは私には向かないわ。乾杯やり直しよ❗️でしょ?ラブ」 「ん?」「えっ?何?」 ラブがニコリと笑顔を見せる。 「さあ、篠田さんも一緒に!」 ラブに言われ、慌てて加わる篠田。 この空気を壊しちゃいけない。 「では!月島風花ことRedと、常盤莉里ことHeavenの新しいVsinger Duo、『Angel(天使の) Life()』結成を祝して!」 「何それ、聞いてないんだけど💦」 「ちょっと待てよ💦誰がいつ決めた⁉️」 「私が、今朝決めた!TERRAコーポレーションの芸能部門へ、ようこそ❗️」 「そんな勝手な、だいたい簡単にTERRAになんて…あっ…💧」 満面の笑顔のラブ。 「あたし、これでも社長やってんの。ムフ❣️」 (ムフっ、じゃないし💧) 「私はいいわよ。考えてたし、莉里となら、きっとまたやれるよ❣️」 (❣️❣️と来たら断れねぇじゃん) 「分かったよ。やってやろうじゃない❗️」 「よし。では、Angel Lifeの結成を祝して!」     『カンパ〜イ❣️』 全員に、明るい笑顔が戻った。 (七森…華奈…か…よろしくね) 〜Angel corpse〜 The end. 心譜。
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