タイムカプセル・エンゲージ

15/15

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
翌日の朝。 突っ伏して寝ていた居間のテーブルの振動で目を覚ました。 手に取ったスマホには「冬実」の文字。 「……もしもし」 「健太!? 今どこにいるの?」 「……実家」 「よかった……全然出てくれないから、心配してた」 「ごめん。今日戻るから、待ってて」 ガラガラと玄関の引き戸を開けると、久しぶりに顔を見せた太陽の光が差し込んできた。 鍵を締めた後、ポケットの中から取り出した指輪が、陽光に照らされ煌めく。 道端では、降り積もった雪が溶けはじめていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加