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翌日の朝。
突っ伏して寝ていた居間のテーブルの振動で目を覚ました。
手に取ったスマホには「冬実」の文字。
「……もしもし」
「健太!? 今どこにいるの?」
「……実家」
「よかった……全然出てくれないから、心配してた」
「ごめん。今日戻るから、待ってて」
ガラガラと玄関の引き戸を開けると、久しぶりに顔を見せた太陽の光が差し込んできた。
鍵を締めた後、ポケットの中から取り出した指輪が、陽光に照らされ煌めく。
道端では、降り積もった雪が溶けはじめていた。
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