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とうとう発表日がきた。
熱でもでればよかったのに。
嫌だ。
けど、ここで逃げだせば後で何噂されるか、わかったもんじゃない。
私は適当に生きて、適当に死んで、自分の生活の平和を望んだだけなのになぁ…
こんなもの、立候補しなければよかった。
「後悔先に立たず」とはまさにこのことだ。
「〇〇さんお願いします」
とうとう呼ばれてしまった。嫌だ。死にたい。殺してくれ。
いくらそう思ってもこの状況からは逃げ出せない。
「はい」
返事をするしかなかった。
体育館の真ん中に立ち文を読む。
みないで……………みないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないで
誰もみないで。
お願いだから。反対向いて。耳を閉じて。
消えて?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ああ、ようやく読み終わった。
感想なんて、言われない。
言われたとしてもどうせ
「今までとは違った感じだね」
みたいなことしか言われないだろう。
クッソ教師A。てめぇが読めよ。
人に押し付けるなよ。
弱者のことを知れよ。
なんて、私が言えたことじゃないか…
弱者のことなんて私もよくわかんない。
結局人は他人を理解できない。
あの教師Aも私を知ることができなかっただけだ。
仕方ない。仕方ない。
そう、思いこんでおこう。
でないと私は私を殺そうとする。
完
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