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顔を上げると、その集団で浮いている子が目に飛び込んできた–––大学生の一人に詰め寄られてて。
つまり、明らかに絡まれてる図だった。
「–––は・・・で・・・! そっちだろ・・・」
「あぁ? なんだよガキが–––痛って! テメェ・・・」
絡んできた一人を振り払おうとして、顔に手が当たったのが遠巻きに見えた。
逆上されたのか胸ぐらを掴まれて・・・その弾みで手に持っているカバンとかがドサっと地面に落ちた。
–––通学カバン・・・っぽい? え、高校・・・生?
よくよく目を凝らしてみると、制服っぽいPコートにマフラー、地面に落ちたのは間違いなく通学カバンだ。
ガンッ–––グシャッ!
大学生が足元に落ちた通学カバンを蹴飛ばし、その横に転がっていた小さな紙袋を勢いよく踏み潰した。
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