chapter2:revise

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 凡人には見えないものが、俺には見えるって気づいたのは小二の頃だ。  幽霊、そんなもんが確かに見えちまってた。あいつらは消えかけてるのから本当の人間みたいなもんまで色々。  そんな存在に恐怖を感じたガキの俺は、親に打ち明けたことがある。勇気を振り絞って。だが、ろくに相手にされなかった。  それだけじゃない。ダチと遊んでる時に幽霊を見て、不意にそれを漏らしちまった。それからはキモいだの何だのと揶揄われて。  あんときの俺は今と違って純粋で、ただ弱かった。だから誰も信用せず、誰にも馬鹿にされない強い自分ってのを生み出してった。荒れた生活送ってると気が紛れてたしな。  きっとあいつらは死んだ前日をループしてたんだ、今の紬みたいに。そして、何十何百と繰り返していくうちに消えちまうだろう。今となっちゃ分かる……。  紬も延々とあの日をループしてるからな。
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