chapter2:revise

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 いつ紬が消えちまうのか、そして消えちまったらどうなんのか……こうなってんのは未練があるからじゃないのかって、悩みは絶えなかった。  ただ今日、覚悟は決まった。あいつを本当に好きなら、やらなきゃいけねーことがあるはずなんだーー  その後、いくつか買い物を済ませ帰宅すると冷蔵庫の作り置きをゴミ箱へ捨てた。何度も躊躇いながら。  そうしねぇと紬が憧れてた三段ケーキが入らない。じゃなくても、これは俺にとって決意のようなもんだった。  幸いこの二日は休みだから時間が取れる。全て終わらせた明日は……墓参りに行くつもりだ。  そして俺は、紬の好きなラナンキュラスでリビングの机を飾ってリボンのついた巾着を添え、あとは紬が現れるのを待つだけにした。  ソファで過去を振り返りながら過ごす手元では、紬との想い出がなんだかエンドロールみたくなっちまって。  紬はいつも俺の左側……納得だった。なにかと左を空ける癖がついちまってることにーー
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