chapter3:Restart

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 さっきから食べる様な動きをしてるものの、まったく手付かずのままの料理。本人は食べている様に見えてるらしい。食べる必要の無い体……ってか。  向かいに座る紬の手をとるとやっぱ、違和感ありまくりだ。体温も肌の感じもない。何かがあるってだけで。 「紬。俺と一緒にいて幸せか?」  紬は可笑そうに言う。 「どうしていきなりそんな?」 「真面目な話、知りたいんだよ今だから」  すると顔から揶揄い気味の笑みが消えた。 「……当たり前でしょ。なんで」 「そっか。お前にさ、言わなきゃいけないことがあんだ」 「……なんか、あった」  息の震えを堪え生唾を飲む。 「……っ、本当は今日が。今日がお前の誕生日なんだよ」 「え……?」  きっと今までみたいに何を見せても紬にはあの日にしか映らない。だから俺は直接打ち明ける、全部。 「昨日は十月二十九日。お前の一周忌だ……」 「そ……んな。何、言ってんの。変な冗談言わないでよ」 「ちげぇ嘘じゃなーー」 「嘘! そんなのウソッ! 何でそんなこと……わたし、んで……」  椅子がゴトンと倒れた。 「待てって紬……!」
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