chapter3:Restart

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 でも怖いから認めたくなかったッ! 知らんぷりしてればって思ったの!  ずっとこのままでいられ、るならって……っもうさ、もうどうすればいいか分かん、かっ……」 「紬……今まで俺たち嘘禁止にしてきただろ。だからもう……」  すると、ひしゃげた笑みを向けてきた。 「ならさ……もう、わたし仕事いいよね。そばにいて良いんでしょ。ねぇそばに、いて……よっ」  咄嗟に紬の全部を抱きしめた手は、みっともなく震えちまった。 「そばにいる当たり前だろんなもん。ずっと、いる」  そして紬の小刻みに途切れる息が落ち着き始めた頃、身体を離して言った。 「これ、渡すはずだったんだ」  掌に乗る二つの指輪。 「え……」 「紬、俺と結婚してくれ」  すると、グッと唇を噛み締めながら俺の肩に頭を打ち付けてきた。 「……っもう、もうできないじゃん! したかったのに。できな、っい」  俺は、その湿った頬をゆっくり手で包む。 「出来んだろ! お前が認めてくれんだったらいつだって。ここに紬がいて俺がいるだけで出来んだろ、誰が決めたんだよ結婚の条件なんて!  ちんけな紙切れなんていらねぇ。俺と紬の中で完結すりゃいい。  だから紬。愛してる、ずっと」  二、三秒ほど見つめあった後、紬が見せた笑みはいつものそれに近かった。 「っ……ばか。順番、逆じゃん」 「ちょっと、緊張した」
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