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直後、脇の下付近の刺激が俺の眠気を吹き飛ばした。
「あははっや、やめ……!」
「ちゃんと明日出掛ける、約束はー?」
「わかったからッ……!」
「ほんと?」
「ほんと! あははッマジ本当だって!」
「はぁ……よし。じゃ仕事行ってくるから。黎人もお仕事気をつけてよね」
疲れたようなシャキッとしたような身を起こし、欠伸がてら紬を見やった。
相変わらず美人過ぎんだよ。とくに鼻筋通っててちょい猫目なとことか。あとこうして不意に見せてくる、なに? のキョトン顔とか。この声と顔がいつも見れんなら、ずっとこのままで良いって思っちまう……紬は俺なんかで、本当に良かったのか。
「さっきからどしたの、何かついてる?」
「あや……別に、なんでもねーけど」
「そうだ、作り置き冷蔵庫にあるからカップ麺とか食べないでちゃんと食べてってね」
「……さんきゅ」
側に置いてあったバッグを肩にかけ、行ってきまーすと小さく手を振る光景はいつも通りずっと同じだ。
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