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「翔ちゃんは大きくなったら何になるの?」
隣の布団でうつぶせになり、足をばたつかせながら美咲が目をキラキラとさせて言う。
「そんなのまだ決まってないよ。美咲は何か決まってるの?」
「美咲は翔ちゃんのお嫁さん!それで、翔ちゃんの夢の応援団になるの」
「なんだよそれ」
吹き出すようにして笑った僕に釣られて、美咲も笑う。
美咲はいつも何をする時も僕の事を応援してくれていた。
放課後に逆上がりの練習をしていた時も、一緒に真っ暗になるまで残ってくれていた。
僕が近所の病院に入院した時も、毎日手作りの折り紙を届けに来てくれた。
寝る間を惜しんで作った千羽鶴だって、千羽とはいかなかったが、軽く三百は超える鶴を作って持って来てくれた。
いつだってそうだった。「翔ちゃん、頑張れ。大丈夫だよ」って。
翔ちゃん、翔ちゃんと。
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