7.ランタナ

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「やっぱり俺のせいで機嫌悪い?」 「大したことじゃないので。態度が悪くてすみませんでした」 「大したことないっていうなら理由教えて」 妬ましくて怒りました、とは言えなくて部屋に戻ろうとしたけど手首を掴まれた。 6月の湿った熱気に晒されたその手はすごく熱い。 「離してください」 「教えてくれるまで離さない」 どうにかこの状況を切り抜けようと思ったけど、佐久間の目を見て考えを変えた。 真剣な眼差しを前に、これ以上意地を張るのは大人気ない。 「………佐久間さんが、私に告白するって言ったくせに白井さん口説いてたから」 それ以上でも、それ以下の理由じゃない。 たったそれだけで冷たい態度を取ってしまった。 予想外の回答だったと思う。 佐久間は「え……」と一声だけ反応を示して固まってしまった。 「えぇ〜、嫉妬?マジ?」 ところが次の瞬間、満面の笑みを私に向けてきた。
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