2.お互い様!

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2.お互い様!

「いやいや、何がどーしてそうなるのでありますかな!? まるで意味がわかりませんがな!?」  そんな沙弥に、智夏はとても落ちついた口調で、言った。 「これはきっと……。私と沙弥ちゃんが、キスをしちゃったから。何か悔しいから、対抗して私たちもしちゃおう! ってことだよ。きっと」  智夏の説明に、明穂と緒美は……。 「正解だよ! 智夏ちゃん!」 「ご名答。さすがね智夏」  二人の回答に納得しないのは、沙弥一人。 「なんでじゃーーー! なんでそーなるんかいっ!」  このツインテ娘は、だいぶやかましい。 「そうね。わかりやすく言うと」  緒美は、ちょっと考えてから、微笑を見せた。 「あなたたちは、キスをした。で。私たちも、ご覧の通り、しちゃったのだから」  緒美に続いて、明穂はにっこり笑った。 「これで同罪。って感じ?」 「有罪(ギルティ)! ってことだね」  智夏もなぜか、楽しそう。  沙弥は何となく、わかった。  ああ、そういえばこの人達は、こーいう人達だったんだと。  まったく。何という、常識のない人達だ! けしからん!  いつだったか沙弥がそう言ったら、三人から言い返されたものだ。そんなの、類友ってやつでしょ? と。見事に声をハモらせながら。 「はぁ、そーですかい。まぁ……。この四人組なら、今更文句もなんもないですわな」  そういうことなら、まぁ、しゃあないかと、沙弥は思った。  ところが、次の瞬間……。
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