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「志賀は、テストの結果はいいんだけどなあ……」
「何か悪いんですか」
最初は五分くらいで終わると思っていた二者面談がなかなか終わらず、とうとう「はい」だけの返事から抜け出して、自分から質問を投げかけることにした。
「お前の悪いところは、主に二つある」
「なんですか」
二つある、じゃなくて、その二つを早く言ってくれ。これ以上長引いたら、全校朝礼で校長先生の長い話を聞いている時の感情がフラッシュバックしてしまう。
「その二つは何かというと……」
「なんですか」
「態度とロッカーだ」
「分かりました、気をつけます」
「待て、まだ話は終わってない」
先生は椅子から立ってそそくさと教室から出て行こうとする私を呼び止めて、手で私をもといた場所におびき寄せる仕草をした。
「はぁ……」
私は大きくため息をついて、戻った。
「お前は態度とロッカーの汚さを直すべきだ」
「はーい」
納得はできないが、対抗するのも時間がかかるし面倒臭いため、軽く受け流しておいた。ロッカーはおいといて、一体私のどこが態度悪いというのか。
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