20人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
結びの言葉
「相原さん!」
息を切らして彼の家に着く。
門を押して庭を突っ切ると、相原さんが足を垂らして縁側に座ってるのが見えた。
彼が振り向く。結んだ髪が揺れた。
「恵くん」
「相原さん、これ――!」
僕は倒れる勢いで彼の隣に座って、封筒と便箋を振った。
すると相原さんも罫線の入った紙を僕に見せた。
息が止まる。
それは夏休み前に僕が送った、あなたが好きですと書いた手紙だった。
「君でしたか」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!