3.未知との遭遇

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「そうだよね、おじさんだもんね」 「そういうわけじゃないですけど。私、彼氏いらないですし。色恋はちょっと勘弁です」 「ふーん」  奈津子は何か言いたそうな顔をしたが、口をつぐんだ。少し考えて、言う。 「……茉莉、合コン行かない?」 「え、合コンですか?」  「人数足りないからって、友達に誘われててさ。茉莉は彼氏いらないって豪語してるけど、いい人に会ったら好きになるかもしれないでしょ? 数撃ちゃ当たれよ、一度行ってみようよ」 「ええ……」  茉莉はしかめっ面をして、考えた。  実は、茉莉は二十四歳にもなって、合コンなるものに一度も行ったことがない。単純な好奇心と社会経験として、行ってみたいという気持ちはある。 「でも本当、彼氏いらないんですもん……。相手に失礼にならないですかね」 「そこまで真面目に考えなくていいわよ、婚活パーティーじゃないんだから。相手は公務員らしいのよ。固いでしょ。それなら茉莉連れてってもいいかと思って」 「へー、公務員……市役所とか県庁とか? 面白いですかね?」 「それは分かんないけど。あんたは免疫ないから、つまんないくらいがいいのよ。あ、私は真面目に婚活だからね! 身元固いのが一番!」  奈津子は可憐なかすみ草を、カーネーションの周りに配置しながら言い切った。
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