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「カンパーイ、お疲れ様っす!」
ビールジョッキを打ち鳴らし、賑やかに合コンが始まった。本日は男女四人ずつの集まりだ。
「えーと、こちらのお二人が保育士さん、こちらのお二人がお花屋さんなんだよね? 職業聞いただけで可愛いわ! 最高! もう最高!」
横田という短髪で目のクリっとした男性幹事が、大袈裟に胸を押さえて見せる。身体も声もデカくてノリが良い。公務員に偏見があったなあ、と茉莉はこっそり思った。
「そちらは公務員って聞きましたけど、どこにお勤めなんですか?」
「あ、県警っす!」
横田は元気よく答えた。えー、と女性陣が目を丸くする。
「警察官なの? 刑事さんとか?」
「うん。俺刑事! こっちは交通課、生活安全課、地域課!」
「すごーい。あたし、MIUハマってたんだ。綾野剛みたいな刑事さんいる?」
「えー、俺めっちゃ綾野剛って言われるよ!」
「どこがだよ!」
女性陣の食いつきに警察官達は気を良くしたらしく、得意気に、自分達が毎日いかに活躍しているのか喋りだす。
「でさ、逃げる犯人に俺がドロップキックをかましたわけよ……」
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