4.刑事と合コン

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 気持ち良さそうに話していた横田が、急に、はっ、と目を見開いた。隣の男性の肩を小突くと、全員店の入口の方を見て、ピタリと話をやめた。 「え?」  茉莉は男性陣の目線を追う。  店に、二人連れの男が入ってきたところだった。  目のギョロリとした年配の男が先を歩き、その後に付いてきたのは、尾藤だった。  あ、と思わず茉莉は声を漏らす。  尾藤もこちらの席に目を留めた。 「お、うちの若いのじゃねーか」  それが合図かのように、男性陣は全員同時にバッとその場に立ち上がって頭を下げた。 「お疲れーっす!!」 「お疲れさん」 「しゃーっす!」 「あんま羽目外すなよ」 「しゃーっす!」  年配の男と尾藤は離れたテーブル席に案内され、茉莉達のいる小上がりからは見えなくなった。  男性陣は腰を下ろし、さっきまでの勢いはどこへやら、塩を振りかけた白菜みたいにシオシオになっている。 「ごめんねー……。あれ、上司……。合コンの店かぶるとか最悪だよ……」 「上下関係やっぱ厳しいんだねー」 「……え、あれ、尾藤さん?」  奈津子が、恐る恐る、といった表情で茉莉に囁く。 
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