4.刑事と合コン

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「あの、尾藤さんの好きな食べ物は何ですか?」  何か他にも情報を仕入れなければ。  焦った茉莉がどうでも良いことを聞くと、横田は真面目に考えた。 「パピコかな? よく半分くれる」 「ひゃーっ! パピコーっ!」 「落ち着きなさいよ、茉莉」  不意に、横田がジーンズのポケットを押さえた。顔色が青くなる。 「ごめん、電話……」  席を外すと、ややして能面のような無表情で戻って来た。 「呼び出し……。ごめん、お先するね」 「えーっ、ほんと忙しいんだねえ」  茉莉は、彼がノンアルコールビールしか飲んでいないことに気が付いた。車で来たのかと思っていたが、呼び出しに備えていたのか。  お金をおいた横田がトボトボ出口に向かうと、尾藤も席を立ったところだった。一緒に呼び出しらしい。慰めるように横田の肩を抱く。 「お前いーよ、俺行くし」 「いやいや、ペア長だけ行かせるわけにはいかないっす……」  尾藤さん、アニキ肌。  茉莉は刑事の背中に熱っぽい視線を注いだが、店を出ていく尾藤が振り返ることはなかった。
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