初めての恋人

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 翌日、いつものようにバックパックに荷物を入れ、早めに大学に行った。通学の途中、やたらと驚いた顔をされたり、道を避けられたりしたが、なぜだかさっぱりわからない。  教室のドアを開けるとまだ、誰もいなかった。一番乗りで、いつものように一番後ろの席に座り、机の下にバックパックを置く。  ドアが開く音がして振り向くと、鈴木が入ってきた。 「おはよう、鈴木」  鈴木は、僕を無視して、僕から離れたところに座った。たしかに僕のせいでレポートが出たが、無視することはないと思う。  続いて、山田、五十嵐、福田とみんなに無視される。また、ドアが開く。静香だ。  静香は笑顔で右手をパーにして、右の腰に手首をつけ小さく手を振った。  サササと僕の隣に来てちょこんと座る。 「おはよう義樹、レポート、できた?」 「ああ、難しかったけどなんとか。  静香に見せてもらおうと思ったけど、僕のせいでレポートが出たのに、僕のレポートが人のを写したものだとわかったら、また、とんでもないことになりそうで」  頭をかきながら、卑屈に下を向く。 「義樹、そんなに思い詰めなくても、誰もそんなに気にしてないって」 「おはよう、静香」 「あ、おはよう瑠奈」 「おはよう、静香」 「おはよう、早希」 「おはよう、結城さん」 「おはよう、青山くん」 「な、俺のこと、ガン無視だろ」 「そうね、まるで見えてないみたい」  静香が難しそうな顔をしている。
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