降り積もるな、雪

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「羽田? そこにいるよな? スマホあったから、ライトつけるぞ」  息が止まったまま、僕は藤堂さんの声を聞いた。暗闇の中にいた僕の視界は、強い光ではっきりとその姿を映し出した。  目の前にいたのは、頭から血を流した痩せ型の女性。両腕にはためらい傷が幾重にも切り刻まれている。彼女は悪魔のように歯を見せて笑っていた。 「羽田くん、一緒に雪あそびしよう」 「うわああああああああああ」
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