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3
びゅううううおおおおおおおおおお
という不思議な音が耳に入り、僕は目を覚ました。
かまくらの中に細かい雪が吹き込んできている。
僕は、かまくらの外に顔を出した。
吹雪は、僕の顔をめがけて、吹き付けてくる。僕は、慌てて顔を引っ込めた。
一緒にかまくらに入っていたおじいちゃんが、外をのぞき込む。
「これほどの吹雪は……見たことがない……」
「雪かきは、どうするの?」
僕が聞くと、おじいちゃんは、「今は外に出ないほうがいい」と言った。
雪かきは、雪がやむのを待ってからにすることにした。
でも、どんなに待っても、吹雪はやむ様子はなかった。
かまくらの入り口も、積もった雪で閉じ込められそうになっている。
このままだと、雪に埋もれてしまう、との危機感から、僕らは外に出た。
しかし、かまくらから身を乗り出した瞬間、僕の世界は真っ白になって――
そのまま、気を失ってしまった。
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