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 閉じた瞼に、オレンジ色が見えたのが、僕が気を失ってしまったあとではじめて見た景色だった。  身体にも、じんわり、とぬくもりを感じるようになった気がする。  僕は目を開いた。  僕は、降り積もった雪の上で横になっていた。  でも、空には、いつぶりだろう。太陽の日差しがあたたかく降り注いでいた。  ――死んでしまっていたかと思った。  でも、こうしてこの世界にも、もう差すことはないかと思っていた太陽の日差しが差すことができた。  少しずつ、少しずつ、積もっていた雪が解けていく。完全になくなってしまうにはまだ時間がかかりそうだけれど。  ――この世界の持ち主に、いったい何があったのだろう。  それは、僕たちにはわからないけれど、また、みんなが眠りから覚めたら、雪かきを再開しよう。  半身を起こしながら、僕は思った。  この世界のすべてが雪に覆われ、凍ってしまうような日があったとしても、また、あたたかな日差しが差してくるときが、きっと来る。  春にならない冬はないのだ、と。
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