あとがき

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あとがき

 「降り積もる」というテーマを聞き、雪が積もることと、ストレスなどが少しずつ積もっていくことが似ていると感じたのが、本作の着想です。  皆さんもご存じのように、このお話は、人の心の中の世界の天気を描いたものです。  少しのストレスだったら、自力で解消していくこともできるけれど、あまりにも募らせすぎると、そのストレス解消をしていたような働きも、止まってしまうと思います。それを描写しているのが、本作の「僕」が気を失ってしまっているシーンです。  4ページ目に文章が一つもないのは、語りが何も語れなくなっていることの描写です。  そして、そのような状況を打開するのが、なんらかの「太陽」のような存在です。  太陽は、心の中の住人の「僕」たちが意識を失ってしまって雪かきができなくなってしまっても、積もった雪を溶かしていく力を持っています。  本作の心の持ち主である人間が、どのような経験をして、心にこんなにも雪を降り積もらせてしまったのか――それは読者の皆さんの想像に委ねます。  もし、あなたのそばに、心の雪を積もらせているような方が居たら、あなたが、その方にとっての太陽となれますように。 了
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