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手招きをする司祭を本能が拒絶する。
ソファから立ち上がり後退りする蓮華に、司祭は困ったような顔をした。
「いくら君でも最低限の検査は必要だ。そうしなければ儀式が行えない」
しなくて結構と声を大にして言いたいが、新たにやって来た2人の男たちに意識が向いた。
諦めた司祭は、そのまま3人の団員を引き連れて室内に戻ってくる。
本気でこのまま逃げようかと逡巡したが、結局先程の結論に辿り着きその場に立ち尽くした。
目の前で立ち止まった司祭をキッと睨み上げる。
せめて心だけは屈せずにいたかった。
両側から男が来たと思うと、服を剥ぎ取ろうとする。
咄嗟に抵抗しようとすると両腕を掴まれた。
そしてそのまま取り出した刃物で衣類を引き裂かれる。
「乱暴に扱ってはいけませんよ。傷ひとつ付けないように」
ただこちらを眺めるだけの司祭が穏やかな声で支持する。
彼の目は一見優しげで慈愛に満ちたものだが、その奥には悍ましい何かが潜んでいるようだった。
慣れた手つきで一糸纏わぬ姿にされる。
両腕は掴まれたまま、裸体を隠す術もない。
それからは体を隅々まで湿った布で拭かれ、何かを確認するように観察された。
羞恥、恐怖、怒り。
さまざまな感情が渦巻き、蓮華は体を震わせる。
「傷跡が所々見られますね」
「そうですか。汚れた世の中では仕方のない事ですが、やるせないですね。張りがあって程よく引き締まった、美しい体なのに」
舐めるような司祭の視線に、堪らず顔を逸らしていた。
コイツなど、穢れた世の中そのものではないか。
自らが崇高なものだと本気で信じているのならば、とんだ狂人である。
「…っ!?」
その時突然、尻を撫でられた。
いやらしい手つきに怖気が立つ。
背後に立つ3人目の男だ。
耳元から生暖かい、不快な息遣いを感じた。
「おぉ、なんて滑らかな肌だ。こんなの女の体でだってそうお目にかかれないぜ」
「言葉を慎め、司祭様の前だぞ。お前は自分の役割をこなせ」
「はいはい」
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