第三章

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悪びれた様子もなく返事をする男がその場にしゃがむ。 一体何をと振り返ろうとした時、いきなり尻を鷲掴みされ、左右に押し広げられた。 「な…っ!?」 驚愕し拒もうと身を捩るが、両側の男の手からは逃れられない。 まじまじと己の秘部へ向けられる視線を感じた。 激しい怒りと屈辱感に体が震え出す。 「ん〜、綺麗な形と色だなぁ。キュッと閉まってるし、コイツは処女だろうぜ」 その直後、後ろを生暖かい何かが触れた。 「…っっ」 舐められた。 そう気付き頭が真っ白になる。 「あぁいいなぁ、挿れてぇなぁ。こんな上玉、滅多に拝めない」 「おい、いい加減にしろ。罰せられたいのか」 「あぁ分かったよ、チッ、つれねぇなぁ」 そう言って往生際悪く尻を撫でてから男が体を離す。 次には無地の布で作られた簡素な衣類を着せられた。下着はなしだ。 「これで検査は終わりです。さ、他の子供たちの元へ行きましょうか」 そう司祭が告げると、両側にいた男たちに引きずられるように歩かされる。 その中で、深く項垂れた蓮華の瞳が鋭い光を放っていた。 *** 幸いにも乗ることができた車で辿り着いたのは、古びた教会であった。 男性に礼を言い車を降り、2人は周りを警戒しながら建物に近づいた。 こんな片田舎のボロ教会、監視カメラの類は見当たらない。 「おい、ホントにここでいいのか?」 「は、はい。発信機が動きを止めたのは、この建物で間違いないと思うんですけど…」 不安げに答える小雨。 なんにせよ、取り敢えずは調べてみなければ始まらない。 教会の裏側から前へと壁伝いに進んでいけば、やがて人の声が聞こえてきた。     足を止め聞き耳を立てれば、入口に立った男2人が何やら会話しているようだ。 見張りなのだろうか。 こんなボロ教会に見張りとは妙なことだ。 「おい、聞いたか。新しく連れてきた子供が大層上玉らしいぞ」 「あぁ、なんでも儀式では司祭様が禊を担当するのだろう。すっかりお気に入りだ」 「いいなぁ、俺もおこぼれを頂戴したいもんだぜ」
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