3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれから10年か。そんなに経ったんだなー」
10年も離れることなくお互いを想い合ってきた。
こんなにも大事な人が俺にできるとは思ってもいなかった。
その瞬間、風がぶわっと吹き抜け瞬く間に銀世界になる。
「うー寒みぃー、風邪引く前にとっとと帰るか」
子供のように温かい手を取り、自分のポケットに突っ込んだ。
「お前はあったけぇな。カイロ要らずだわ」
ギュッと握ると握り返してくる手。
そんな単純な事で心も温かくなった。
これを言葉で表すならただ…
ーー愛しい
繋いでいないもう片方の手で頬に触れれば、一瞬肩をびくっとさせるも紅潮させた顔で見上げてくる。
潤んだ瞳に吸い寄せられるように、
互いの体温を分かち合うようにゆっくりと口づけた。
最初のコメントを投稿しよう!