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萩野君がいなくなって2年が経った。
私はうちのスーパーが入るビルの屋上にいた。
後ろからシスターの声がした。
「あっちが神奈川ですよね?今萩野さん、神奈川の店舗にいると聞きました」
「そうなんですか……」
「知らなかったんですか?」
「はい、あまり思い出さない様にしてます」
私は自然と出た言葉にはっとした。
「ほら、やっぱり……」
シスターを見ると含み笑いをしている。
「色んなご事情とか、お立場とかおありなのはわかりますが、そろそろご自分の幸せをお考えになった方が良いのでは?もう34歳ですよ?」
「ハイハイ」
シスターと顔を見合わせ笑っていた。
時計を見た。
「あっ、シスター。緊急ミーティングの時間だ、行こ?」
事務所に行くとみんな集合していた。
店長が話し出した。
「え~今日の朝、役員会議で決まった事を伝えます。この店舗の改装が決まりました」
みんなどよめいた。
「改装後は、新形態の食品スーパーとして開店いたします。時期は2週間の閉店セールをした後、5日間の改装工事、その後陳列等の準備をし1か月後開店」
かなりタイトなスケジュールに驚きの声があがった。
「本当に急な話しだが、何せ話題のスーパーだ、競合が嗅ぎ付け対策を練る前にの開店を目指す」
みんなはその話しに納得をし頷いていた。
「実際、この店の業績は横ばいでテコ入れが必要と思われていたが、みんなも覚えているかな?2年前に当店に実習に来たアンド……じゃなく萩野卓君がみんなのおかげでとても頑張ってくれているらしく。わが社の救世主と言われるまでになっている。教えた私達がいる店舗が足を引っ張るわけには行かない!頑張ってくれ」
「はい!」
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