アンドロイドの涙

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閉店セールを終えた。 店長も他の店舗に移動する。 5日間の工事が終わり、久しぶりにみんなと会える嬉しさと、今日から新しい上司とうまくやって行けるかの不安が入り乱れていた。とにかくお迎えをしなければならない。 いつもより早く店に向かった。 事務所に着くとシスターがいた。 「おはようございます。秋月さん、新しいストアマネージャーがいらしていて回りを見たいからと屋上に行きましたよ」 「わかりました」 私は急ぎ屋上に向かった。 来るの早すぎない?ちょっとは気を使ってよ!あぁ先が思いやられる!ぶつぶつ言いながら屋上のドアを開けた。 振り向いた新しいストアマネージャーを見て叫んでしまった。 「えっ?えっ?新しいストアマネージャーって……萩野さん?」 「お久しぶりです!出勤したらシスターが屋上へって」 「ったく余計な事を…」 「でも僕は良かったです。秋月さんにお礼を言いたかったし、言いたい事もあったし」 「お礼?言いたい事?」 「はい、あの時僕は初めて人前で涙を流しました。あの涙のおかげで今の自分があります。ありがとうございました。秋月さんの教えが今の僕の支えとなってます」 目の前に確実に変わった萩野さんがいる。その眩しくて見ていられないほどのオーラに私は返事も出来ず、ただ立っていた。 「あと、どうしても言いたい事が」 「は、はい……」 「これからも僕を支えてくれますか?」 「勿論!アシスタントですから」 萩野さんがふふっと笑った気がした。 「仕事じゃなくて僕自身を」 「えっ……」 「前に言いましたよね?一人前になったら好きな人に気持ちを伝えるって」 息が止まった!身体に稲妻が走った! あの時、私を襲った初めての衝撃の答えがやっと出た。 完
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