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それから数日後、デイリーの事務所では、萩野さんがパートさん達に矢継ぎ早に色々と聞かれている。離れて見ていると的確に返事をしている。でも何かが違う……。
事務所の入口を話しながら出て行くパートさん達とすれ違った。
「なんかパソコンと話してるみたい。エリートってあんなもん?」
まずい方向に向かいはじめている。そう感じた私は
「サチさん達、ちょっと待ってて」
パートリーダーのサチさんを呼び止め他のパートさん達も同時に足を止めた。
「萩野さん…」
萩野さんは私の呼びかけに疲れ切った表情で顔を上げた。
「今の時間昨年比は?」
「あっ!え~っと」
「後、明日からの売場変更のリストとお盆商材の企画書」
「あっ、すみません未だです」
「それと、売場乱れてるよ?夕方に向けて整えて!」
萩野さんの綺麗な顔が崩れ始めた。
離れて聞いていたサチさん達が
「ちょっと、秋月ちゃんどうしたの?そんなに責めちゃいくらアンドロイドだって……あっ!」
サチさんは慌てて口を押さえた。
萩野さんを見ると唇を噛みしめ必死に普通を装うとしているが、目からは涙が流れていた。
「えっ?アンドロイドが泣いている」
みんなはポカンとそれを見ていた。
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