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呼吸が止まった!
身体に稲妻が走った!
少し冷たさが残る春風を頬に感じ、バスを降り歩いていた。
反対側から来る道は駅からの道。その道を一人の男性が歩いて来る。初めての衝撃が身体中に走った。
私の勤務先は主に関東近郊に店舗を持つ中堅食品スーパー。そこでアシスタントストアマネージャーという役職に就いている。
従業員出入り口に入る通路で向かい合わせになった時、男性は私に軽く会釈をして扉に向かって行った。その背中を見ながら、さっきの衝撃を身体から振り払う様にゆっくりと扉に向かった。
扉を開けるとその男性が警備の受付で手続きをしている。横には店の従業員の世話や人事部門の仕事をするシスターと謂う役目の神谷さんが立っていた。
神谷さんが私に気付き
「あっ秋月さん、こちら今日から着任の萩野卓さんです」
今度は萩野さんに向かい
「この店のアシスタントストアマネージャー秋月香苗さんです」
「萩野卓と申します。宜しくお願いいたします」
この人が新プロジェクトで採用された社員か…。
「秋月です、こちらこそ宜しくお願いします」
これが通称アンドロイド萩野君との出合いだった。
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