キャットゲート

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 シャムはキャットゲートをくぐり、猫タウンにワープした。  すぐにゲートを閉じて、開閉管理表に印をつける。が、すぐにその前足を止めた。  今チェックしたら、昨日閉め忘れたことが国王にバレてしまうのではないだろうか。  シャムはまわりに誰もいないことを確認して、猫タウンの小さな森に身を隠した。  茜色の空が広がる、人間界よりはやや小さい猫タウン。  深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。  ゲートを開門した者への罰則。その前例を思い出した。 ひとつは猫タウンを出禁になった事例。他には、犬タウンに強制送還された猫や、二度とニャアと泣けない身体にされるオペをされた猫もいた。  なぜ、ゲートを開門したままではダメなのか。  それは他の動物の侵入を防ぐためだ。  一年前、野良犬がゲートをくぐり、猫タウンに侵入してきた。  あの時は国中が大パニックになった。  腕っぷしの強いポリスキャット達が何とか追い出したものの、負傷した猫は数匹に及んだ。  その時のゲートチェッカーは、なんと天敵のカラスタウンに送還された。  ––––おえっ。  想像しただけでえずいた。
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