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「中村様、中村稔様、お母さまの多恵子様より、再掃除依頼があったため参りました。本日、私が来ることは多恵子様よりお話があったと思います。稔様、1か月ちょっとで部屋が元通りとはどういうことでしょう? 前回お約束いたしましたよね? 一子の力を借りることなく、半年は持続させてみる、と。半年はまだまだ先でございますよ? さあ、お開け下さいませ。稔様がどんなに居留守を使われたとしてもベッドの中でうずくまる姿は、一子には丸見えでございますよ? このU字ロックを自発的に開けて頂けない場合は、強制排除させていただきますが、よろしいですね? では、カウント参ります、10秒前、9、8、7、」
「待って、バンバさん、待って、開けるからドア壊さないで~!!」
「……3、2、1」
玄関の隙間から絶望的な顔をした稔様の間抜け面が見えた気もしたけれど、その前にカウントは終了。
残念ながら、お約束を守るのが私の務め、親指と人差し指に高熱を込め、赤くなったU字ロックを焼き切った。
「ああああああああ」
中から聞こえてきた断末魔、ドアを開けるとその前に力無くしゃがみ込んだ稔様がいた。
「稔様、お邪魔いたします。ご一緒にお掃除ロボットバンバでございます、順番の番に場所の場で番場です、番場一子でございますよ。1.5ヶ月ぶりに参りました、お元気にしておられるようで一子はとても幸せでございます」
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