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入学式のあと、要と芽衣からうんざりするくらい質問攻めされた。この家はすごいのか、累は神様なのか、根も葉もない話を半信半疑でも信じかけていた二人があまりにも純粋で爆笑したのは正直すまんかったと思っている。
「誤解しないで欲しいんだけど、まず私は残念ながら人間だし、この家がすごいんじゃなくて、あんたらの祖父母やそのもっと昔のご先祖様がいっぱい頑張って人のために人生捧げてた、んだと思うよ。だから私は何も偉くもないし凄くもない。働かなくてもお金には困らんって言われたから判子押しただけだし。」
まあ、習うより慣れよ。
二カッと笑ってそう伝えて、質問タイムは強制終了した。無理、すべての質問に答えることは今はまだできない。疲れるし。
一か月もすれば学校にも慣れてきた様子で、バス停まで歩いて15分かかるけど一応バスで通学できないこともないと伝えると、寝坊しない限り二人はバスで通うと言った。バスの方が早く起きなきゃいけないから、無いって設定を貫きたかったのは自己都合である。
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