ケモノ探偵団と夜の森の道

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ある夜中に、チャイムの音がして、僕はドアを開けた。すると、可愛い女性の方が 「助けてください‼︎」と言った。僕は 「どうしたんですか?まあ中に入って下さい。」と言って部屋の中に招き入れた。それから、僕は大神(おおかみ)さんという人を呼んで話を聞いた。ここは僕が弟子入りした事務所。大神さんと僕と猫とお姉さん、それに事務所の人たちがいる探偵団の事務所。でも、本当の大神さんはケモノの姿をした狼。事務所の人たちもケモノ。僕だけが人間だ。探偵団の名前はケモノ探偵団と言う。その名の通りケモノがいっぱいだ。可愛い女性が話し出した。 「私は子供と私の二人家族。でも、子供と一緒が毎日で楽しく過ごしていたんです。でも、今日、子供と一緒に買い物をした帰り道に、子供がふと消えたんです。どこを探してもいなくて、どうしたらいいのかわからないからここに来たんです。」と泣きながら言った。大神さんが 「いつもの帰り道じゃなかったんじゃない?」と聞き返した。でも、女の人は 「いいえ、いつもの帰り道でした。」と言った。大神さんが 「どんな道だい?」と聞いた。僕はふとメモを見るとズラーッと書かれている文字を見た。『結構綺麗な字だな』と思っていると、また、女の人が話し出した。 「えっと…。森の道って言うのかな。家が森の道を抜けたら着くから。」と言い返した。また、大神さんが聞いた。 「子供さんはいくつ?服装は?」と聞いたら女の人は、 「まだ2歳で、服装は、赤の帽子に、黒のシャツ、それにデニムのズボンだわ。」と言った。大神さんが突然立ち上がって、 「よしっ!その子を探しに行くよ!」と大きな声で言った。僕は 「はい‼︎」と返事をした。それから、その女の人にその子がいなくなった道を教えてもらい、それから、探した。でも、結局見つからず夜が明けた。女の人は泣き出しこう言った。 「どうして…どうしてあの子がいなくなったの?私が注意していなかったから?」と言い出したので、僕は女の人の背中をさすってあげた。その時、大神さんが手をパチンッと鳴らしてこう言った。 「分かったぞ、いなくなった理由が。」と言った。その言葉に女の人が目を輝かせた。そして、大神さんが 「ここに足跡があるだろう。それは、昨日あなたたちが歩いた後。でも、ちっちゃな靴の足跡は途中までしかない。つまり、あなたが食べたんだ。」と言い始めた。僕は 「いやいやいや、そんなことはないと思いますけど…。もしかしたら、抱っこしていたかもしれないじゃないですか。」と僕は言い返した。でも、大神さんが 「でも、荷物が多い状態で抱っこ出来ると思う?しかも、おんぶもできないよね。僕たちのところに来た時には荷物がたくさんあったよね。だから、おんぶや抱っこもできない。そうでしょう。依頼人さん…いいや、人食い鬼さん。」と煽った口調で言った。僕は、 「すみません。僕の師匠が…。人食い鬼なんていませんよ!絶対に‼︎」と言ったとたん、女の人が 「ウガーーーーー‼︎」と言い始め身体がどんどん大きくなり鬼になってしまったのです。僕は唖然としているとさっきまで女の人だった鬼が僕の方に向き、僕の身体を掴んでこう言った。 「ばれてしまったのですから仕方ない、お前も食ってやる‼︎」と言って僕を口の中に入れようとした時、大神さんがこう言った。 「もう、あなたは人間ではない。もう鬼のなりかけだ。過去に鬼に遭遇して子供が食べられかけた。その子供は、あなたにとって宝物だった。だから、あなた自身を犠牲にしても守りたかった。そしたら、自分が鬼になってしまい、そのことを隠すために、見た目が人間に見える薬を飲んで子供と生活をしていた。でも、月日が経つにつれ、だんだんと人を食べたいと思ってしまった。それは、子供さんにも影響して子供さんのことも食べたくなってしまった。そして昨日、自分の子供を食べてしまった。それは、悲しくもあり、満たされていく感情もあった。でも、子供との生活が恋しくなって僕たちに依頼した。そうじゃないのかい?」と言った。そしたら、女性の目から涙がポロポロと出てきてだんだんと人間の姿に戻っていった。そして、僕たちに向かってこう言った。 「本当にごめんなさい。私はなんてことをしてしまったんでしょう。私は自主します。自主したほうがいいかもしれない。」と泣きながら言った。すると、大神さんが手を出してこう言った。 「あなたは子供さんを食べてしまった時寂しかったんでしょう。だから、あなたを必要とする人をその気持ちにすることはいけない。」と言うと女の人が 「私を必要とする人なんていないと思っていたけど誰が私を必要としてくれるんでしょう。」と言いながら大神さんの方に向いた。大神さんはジェスチャーで『ここにいるよ‼︎』という感じにしていた。女の人は少しキョトンとしていたけど「ふふふふ」と笑いこう言った。 「あなたたちが私を必要としてくれるんですね。分かりました。私も探偵事務所の一員になります。これから、よろしくお願いします。」と言った。大神さんも 「こちらもよろしくお願いします」と言いお互い握手を交わした。そんなこんなでケモノ探偵団の一員がまた一人加わった。 明日も事件は続く!
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