忖度って何?

2/4
前へ
/77ページ
次へ
私はその日、とある用事で外出していました。 その日は4歳のカズ君、一人だけ預かっていました。 用事が終わり、最寄駅に帰ってきたのが16時。 カズ君は17時半くらいに帰ります。 まだ帰るまでに間に合うので、カズ君に、おみやげを買うことにしました。 何か食べるものがいいかな、と思い、晩ご飯に差し障らない程度のお菓子をコンビニで探しました。 そして、美味しそうなプリンを見付けたので それに決定しました。 そして、帰宅。 カズ君はソファーで眠そうな顔をしながらも私の「ただいま」にむにゃむにゃ返事をくれました。 「カズ君、おみやげ買ってきたよ!」 と言った瞬間、急激に覚醒し、満面の笑みを浮かべました。 そして、一言、 「おもちゃ?おもちゃでしょ!」とキラキラした瞳で私に近付いてきました。 私は、軽く背筋が凍りつきながら、 「食べ物だよー」と呟き、 袋からプリンを出しました。 その瞬間、カズ君の満面の笑みが凍りつき、 どんどん顔が下に下に下がっていき、うなだれてしまいました。 そしてグスッグスッと泣きはじめました。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加