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10月に入ったある日練習後のミーティングでチーム内のポジションを決めることになり、私は今までリベロのポジションを練習していたけれど監督からセッターをやってほしいと指示された。
私はセッターの経験がないため不安に思っているとそれを察した睦月コーチが、
「私が1からお教えしますから、心配しないでください。」
と優しい言葉をかけてくれて、私は少しほっと安堵した。
翌日から私は睦月コーチから、セッターとしての基本的な位置取りやトスを上げる技術を教えていただきながら練習に励んだ。
睦月コーチは私の専属コーチかのように、私につきっきりで指導してくれた。
私は何とか睦月コーチの期待に答えたいと思う一心で、毎日全力で一生懸命練習した。
そうこうしているうちに私のセッターとしての技術は格段に向上し、睦月コーチから褒めてもらうことが多くなって私はとても嬉しかった。
12月に入って部内のメンバーを2グループに分けて実践に近い練習試合を行うと、セッターとしての私は左サイドに多くのトスを上げすぎる傾向があることを睦月コーチから指摘された。
睦月コーチから左サイドと右サイドのどちらのアタッカーにトスを上げるのかは、相手選手の動きを見て判断するように指導された。
これが難しくて私がなかなか要領を得ずに上達しなくて歯がゆい思いをしていると、睦月コーチが想定される相手チームの守りのパターンを図に書いて丁寧に教えてくれた。
そして、相手チームの守りのパターンによってどこにトスを上げるのかを考えて、1パターンずつ練習して攻略していった。
この練習には時間がかかるけれど、1パターンずつ攻略するときの達成感が私のやりがいになっていた。
私の女子バレーボール部の練習は、毎日が充実していてとてもやりがいがあって楽しかった。
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