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今度のストーリーは、こうだ。
「憧れの仕事に就きながら、人間関係で失敗して、志半ばで退職し、人生に躓いてしまう女の子」の物語だ。
僕は、これをデビュー作にするが如く、日々、ああでもないこうでもないと頭を捻っている。足元には、また、三好先生が来ていた頃のように紙が降り積もり山となっている。自分の描いたことのない題材に悪戦苦闘中だ。正直、少年マンガには落とし込みにくいテーマかとも思わないでもない。
だけど、絶対この作品を完成させて、雑誌に載せるのだ。
つまりは、届けるのだ。三好先生に。
そして、今日もネームの終わりは見えない。
しかし、これだけは心に決めている。この物語は、絶対に、ハッピーエンド。
そうだ。主人公が幸せになって終わるんだ。
――届け。
どうか、この思い、届け!
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