あの日以来の、君

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「おはようございます〜」 就業時間の15分前。 大体いつもこの時間に職場に到着する。 職場の更衣室の扉を開け、その場にいる人達に挨拶をして自分も着替えを始める。 あ〜眠たい…… 「白方さん、なんか今日眠そうですね?大丈夫ですか?」 マスク越しに大きなあくびをすると、近くにいた舞ちゃんが私の顔を心配そうに見ていた。 「あー大丈夫大丈夫。ちょっと昨日遅くまで起きてて」 「そうなんですね!もしかして、旦那さんと…?」 「らぶですか?」 舞ちゃんは顔をニヤつかせ、両手を使って自分の胸の辺りで控えめにハートマークを作った。 「も〜違うよ!(笑)やめてってば」 「え〜違うのかぁ」 舞ちゃんは予想と外れたことに頬を少し膨らませた。少し残念がるような、そんな可愛らしい表情を見せる。 「また何かエピソードあったら聞かせてくださいね!待ってま〜す(笑)」 舞ちゃんはさらっとそう言って更衣室を出ていった。 考えることが刺激的というか、若いというか… あの子くらいの年齢はそういう話で盛り上がるもんなのかな。 そういえば、そういうコトも最近はめっきりしてないな。 レス…ってやつか。まぁそれがストレスになってるわけじゃないけど。 私は子供がほしいって話は何回かしたけど、相手がそう乗り気じゃなくて結局その話は保留状態。 今となってはもう子供はいらないかなって諦めているけど。 …… というか今思ったけど、私達は結婚したってだけで その先は何も進めてないんじゃ……?
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