忘れかけの記憶

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「白方さん、すみません」 午後14:00 少しずつ店内が忙しくなってきた頃、カットアシスタントの舞ちゃんがコソッと私にそう言った。 「白方さん指名で明日の午後4時に予約を入れたいとのお電話なんですが、よろしいですか?」 「OK、入れておいて」 私はお客さんの髪の毛を手際よくカットしながらそう言った。 アシスタントの子は、分かりましたと言って引き続き電話対応を行う。 最近は自分指名で来店してくる人が多くて嬉しく思っている。 指名してくれる人のためにもたくさん頑張らないと。 「できました!」 お客さんのカットが終了し、つけていたシートをそっと外してあげる。 「仕上がりはこんな感じです〜」 鏡で全体の仕上がりを見たお客さんは、その自分の姿を見て喜びの笑みを浮かべる。 「ありがとうございました!白方さんはいつも理想の髪型にしてくれるので大好きです」 大好き…って こんな褒められたの久しぶりだな。
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