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~エピソード0~ 2
大樹には、いつでも多くのベルの花が咲き誇っています。まだ小さな蕾、少しずつ大きくなる蕾、そしてしっかりと開花し終えた、ベルの形をした白い大きな花たち。その中で、必ず一日に一つだけ、淡く発光し、明滅を繰り返す蕾が現れます。それが、その日に開花する蕾です。
発光する蕾は、初めはゆっくりと、そして開花間近には途切れることなく明滅を繰り返すので、庭園の者たちには、どの蕾からNoelがいつ頃誕生するのかがわかります。
その開花の瞬間を見守ることが、庭園の者たちの喜びであり、開花儀礼なのです。
司祭という職を拝命しておりますが、開花儀礼の際に私が行うことは、特にありません。ただ、新たな仲間を恙無く迎え入れること、それだけを祈りながら、日々新たなNoelの誕生を見守っております。
本日も、大きく成長した蕾が一つ、ゆっくりと明滅を始めました。その他の蕾は、まだ開花するほどの大きさには至りません。特に、明滅を始めた蕾の隣に位置する蕾は、とても小さくまだ芽吹いたばかりのようでした。
蕾の状態を確認した私は、明滅の頃合いからして、開花までにはまだしばらく時間がかかるだろうと判断すると、大天使アズラエル様への日々のご挨拶を兼ねた定期報告のため、一旦その場を離れました。
報告を終え、大樹の元へ戻ると、蕾の明滅間隔が幾分早くなっていました。間も無く開花の時を迎えることになるだろうと判断した私は、Noelたちに声をかけました。
Noelたちは、互いに言葉少なに挨拶を交わしながら、新しい仲間を迎え入れるために、明滅する蕾の下へと集まってきます。
皆が集まったのを確認した私は、開花儀礼の祈りを捧げるため、大樹を仰ぎ見ました。
その時です。
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