6人が本棚に入れています
本棚に追加
私は藍。ポラーノ辺境伯の次女。ここだけの話、私は昔、日本に住んでいたけど突如現れた魔法陣によって初めて異世界に転生してしまったの。今はポラーノ辺境伯の子供だけどね。それでね、ここではゆっくりできるんだけどなんか物足りないのよね。だ・か・ら、一人暮らしを相談してみようと思うの。ちゃんと、条件付きでね。3つ条件を考えたの。1つ目の条件はね、一か月に5回は帰ってくるの。そうすればお父様も許して下さるかなっと思って。2つ目の条件は、おこづかいは月6コンペ。あっ、このコンペっていうのは日本円でいうと6万円ぐらいだったんだ。使ってみたら案外分かるものね。最後の条件は、食材は持ってこなくていいとかね。なんでって?それは内緒。って事で行ってみよう。『コンコン』とノックして
「お父様〜。頼みごとがあるのですが…。」と言うと
「なんだい、藍。頼み事っていうのは?」と聞かれる。私は、
「一人暮らしをしたいのですが。あっ、ちゃんと条件付きですわ。1つ目は一か月に5回帰ってきますわ。2つ目はおこづかいを一人暮らしに使う家に送ってください。ちゃんとおこづかいの金額も決めましたわ。6コンペで良いです。そして、最後の条件は食材とか使うものとか、まあざっと言えば、おこづかい以外は送ってこないでいただきたいのです。どうですか、お父様?」と聞くと、お父様は
「お前は…なんて賢いんだ。ちゃんと条件付きにするなんて。」私はへ?とびっくりして声が出なかった。しかしながらお父様は
「いいぞ。ただし、もう二個条件を追加する。それは、家は私が選んで買う。家賃も私が払う、いいな。」と言うお父様に私は
「分かりました、お父様。明日のお昼には家を出発しますわね。いいですかお父様、くれぐれもでかい家を買わないでください。面倒ですから。」と忠告をした私をお父様はうんうんと頷いていたが嫌な予感しかしない。それは、的中するものなのね。私が出発するときはみんなに見送られていい気分だったのに…。家に着くと億がつくほどではないかと疑うくらいのデカさだった。私は
「お父様〜💢あの時の嫌な予感は的中ではないですか〜💢もう、お父様嫌い。」と怒りながら家に入った。そして、部屋の中を見て回ると一つ思い出したことがあった。そして、ニヤリと笑って
「お父様には申し訳ないけど、改造しちゃおう。」そう言って私は早速、私の全財産を使って、土、ジョウロ、ビニール、鉄パイプ、後はじゃがいもみたいな食材の種などを買って部屋の中を改造していった。そして、ものの2時間後には完成した。そのあと、
「我ながらいい出来だわ。ビニールハウスにしたら園芸を外でやらず、中で出来る。いいわね、この空間。」そう言って種を蒔いた。そのあと、早く収穫出来るようにこの部屋の中を魔法で暖かくした。最初はびっくりしたけど、ここは異世界。辺境伯っていう身分があるのだから魔法もあると私は気づいたのだ。それから、ずっと魔法を練習していい感じの魔法を開発する程までにもなった。そして、開発してできた魔法が、部屋を暖めるルームヒート、土でゴーレムや建築物を作るMade earth など、色々作っては活用しているけど、お父様には教えていない。なぜなら、大変なことになってしまうから。お父様は泣いて
「私の娘はなんて賢いんだ。すごいぞ〜藍。」と言って、みんなに自慢をするのだ。嫌っだったらありゃしない。そう思っていると、鞄から何か震えたので見てみると、なんと!スマホみたいなのがいつのまにか入っていたのだ。私は
「これは…スマホかしら?いつのまにか入れてたのかしら?それとも、お父様が勝手に入れたのかしら?」と言い、それの電源をつけた。すると、お父様からのメッセージが来ていた。私は
「やっぱり、お父様なのね!私の鞄の中に勝手に入れて。もう‼︎」と言いつつもメッセージを見ると、
藍、一人暮らし頑張れよ。帰ってきたい時はいつでも帰って来ればいいよ。これから、色々な事にチャレンジしろよ。と書いてあった。私は
「もう!なに格好つけてんだか。まあ、私のことを心配してくれていることは嬉しいけど…。っていうか、いつのまに作ってたの、これ?まあこれがあればいつでも連絡できるわね。一応、ありがとうございます、お父様。大切にさせていただきます。って書いとこう。」と笑いながら書いた。そのあと、荷物の片付けをして1日が過ぎ去った。
「う〜ん。よく寝た〜。さーて種を蒔いたじゃがいもみたいなもの、できてるかな?」と言ってビニールハウス部屋に入った。すると、美味しそうなじゃがいもみたいなものがちゃんと実っていた。私は嬉しさのあまり
「やった〜‼︎実った、実った。この魔法も案外役に立つのね。よかった、開発しておいて。」そう言って実ったじゃがいもを収穫、それで料理を作った。作った料理の名前を決めようかな。そう思いながら
「いっただっきま〜す。」と言い料理を頬張った。そして、
「うっまぁ。なにこの美味しさ、とろけるし。なんていうじゃがいもなのかしら?」と言って鑑定魔法を使った。すると、
『この野菜はジャガールです。トロっとしたじゃがいもでとても人気が高いです。その影響か、市場にはあまりないことが多いのだとか』と説明してくれた。私は
「ジャガールか〜。んじゃっ料理の名前はジャガールのグラタンって事で!」と言い席を立った。そして、自分の部屋で着替えをしていると、ぶぶぶっとスマホが鳴った。私は着替えを終えてからメッセージを見た。送信者はお父様だった。私は
「懲りないわね、お父様。まあ、なんか見ないといけないような気がして嫌だわ。本当になんなのかしら?」と言ってメッセージを見た。
これから、新しい新生活だから気を引き締めて過ごすように!そして、王子様が藍の恋人になりたいそうなのだ。だから、今そちらに向かわせているのでよろしく頼むぞ〜というメッセージだった。私は
「はあ⁉︎王子様がこっちに向かってきてるの!しかも私の恋人になりたいってーー!まだ早いと思うんだけど!部屋とか荷物とか片付けてないのに気づいてこっちに向かわせてるのねーー!私のハッピーライフが今から始まろうとしてたのに!お父様なんて嫌い!」そう言って部屋の中から出る。階段を降りている時も
「ご飯のおもてなしをしなきゃいけないのよね。今日、作ったジャガールのグラタンでいいかな?あっもう時間がない。急いで作ろう。」そう言って作っているとピーンポーンとチャイムが鳴った。私は一旦火を止めて扉のほうへ向かった。一旦深呼吸をして扉を開けた。そして、
「こんにちは、カロン王子様。私はポラーノ辺境伯の次女の藍と申します。ようこそおいでくださいました。まだ部屋を片付けていませんがごゆっくりお過ごしください。今、おもてなしの準備をしていますので、もうしばらくお待ちください。」と言って部屋に案内して
「私は下がらさせていただきます。」と言って部屋を出て料理の準備をしていると王子様が
「ここはものすごく広いんだね。」と言って降りてきたので私は
「ええ、お父様がこんなに広い家を買ってくださって、私にはもったいないですわ。」そう言い返した。すると王子様が
「君には嬉しいんじゃないかな?一部屋ずつ改造できるんだから。」そう言っていたので私は
「見ましたの?私のビニールハウス部屋を…。」と言い返し料理を並べた。そして、
「こんな物しかまだ出せませんが、どうぞ召し上がってください。」と言った。王子様が
「この料理はなに?」と聞いてきた。私は
「このお料理はジャガールのグラタンという私が開発した料理でございます。私も今朝食べましたのですが、とても美味しかったので作らせてもらいました。ささっ。温かいうちにどうぞ召し上がってください。」と言った。王子様が
「これは美味しい!すごく美味しいよ。」と笑顔で食べていた。そのとき私は考えていた。『結婚もハッピーライフのうちに入るのかしら?それだったら、結婚した方がいいのかもね。ん?ちょっと待って。お父様は私がハッピーライフが目的であることを知っていたから王子様をこちらに向かわせたのかもしれない。そうだわ、きっと。私はポラーノ辺境伯邸ではずっと暇そうな顔をしていた。だからこそ、一人暮らしをOKしたのかもしれない。お父様、どうなのです?》》そう思っていたら王子様が
「どうしたの?藍さん。難しそうな顔をして?」と言ってきた。私は、はっと我に返って
「すみません。ちょっと考えごとをしていただけです。」と言った。王子様が
「ふふふふ。可愛いね、君は。」と言ったので
「えっと…なにが可愛いのです?」と聞き返した。王子様が椅子から立って私の目の前に立ち、こう言った。
「ふふふ。君は分かっていないんだね。君の顔、真っ赤っかだよ。」と言っている王子様に私は
「えっと、あの、その…」と言った。王子様はまた、笑って
「もっと真っ赤っかになってるよ。ものすごく可愛い。」と言い私のほっぺを撫でた。そして、
「今のタイミングでいうのかわからないけど、僕のお嫁さんになってください。」と言って指輪を出した。私は
「わっ、分かりました。でも、この家を出ることはしないのですが、それでもいいですか?」と聞くと
「もちろんここで過ごすつもりさ。ここでの生活で藍さんをいいや、藍をハッピーにしてあげるから。今日からよろしくね。僕のお嫁さん。」そう言って笑った。私もふふふっと笑って、
「こちらこそよろしくお願いします。旦那様。」と言った。私たちの幸せはいつまでも続くことを願って…。
最初のコメントを投稿しよう!