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「警察に任せておくべきなのでしょうが、幾つもの事件を抱えているからには、社長の為にどれだけ時間を割いてくれるかは、甚だ疑問です。
その点、彼は違います。社長の為だけに、時間を遣ってくれます」
依頼が無くて暇だ。と紹介しているに等しかった。
有朋に、他に依頼は無いとは言っていないはずだが、気付いているのか。
「成程。
では、私は貴方を信用しましょう。よろしくお願いします」
義史は立ち上がると。握手を求めてきた。
日本人らしからぬ態度に、成程、仕事柄、外国人との関わりも多いのだろうな。と考えた。
隼人としては、仕事のやり易い相手だが、隼人も日本人であるから、握手は少々苦手である。
頭を下げている咲江は、不安そうな表情で、青い顔色ではあるが、派手やかな可愛らしさは損なわれてはいない。
「ありがとうございます。
では早速、質問をさせて頂きます。
昨日、お兄様とは、お会いになられましたか?」
「昨日は仕事で会いましたが、いつもと変わりはありませんでした。
会ったのは午後一時から三時。
その後はお互い出掛ける用があったので」
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