監禁

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 信じて良いのだろうか?  警察に通報した後、単に、悪戯した山科家の子供が罰として閉じ込められているのだと知れたら、目も当てられない。  再び見上げる。  切羽詰まった表情の子供は、遠目からでも美しいのが分かった。  十三四に見えるが、咄嗟に英國語を書けるだけの知識もある。  下らない悪戯をするようには見えなかった。  隼人は頷くと、門に向かった。取り敢えず、訪ねる理由はできた。  門を潜り、玄関に立つと、呼び鈴を押す。  直ぐに、表向きは慇懃(いんぎん)な、初老の男が出てきた。 「どのような御用でしょうか?」 「二階にいる子供について、主人と話がしたい」  男の顔色が変わった。 「申しわけありませんが、約束のない方はお断りさせて頂いております。お引き取り下さい」 「では、警察に行きます」  二秒ほど考えた後、男は、少々お待ち下さい。と言い残して、引っ込んでいった。  どうやらあの子供は嘘を吐いていなかったらしい。胸を撫で下ろす。  戻って来た男は、さっきまでの毅然とした態度はどこへやら、卑屈なまでの態度で、こちらへどうぞ。と、案内を始めた。 子供の監禁を認めたも同然だった。
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