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「明日は土曜だ。人目につかないし、学校に行って荷物を回収しておき給え。ご覧の通り制服は着られる程度にはキレイにしておいたからな」
ベッドに置かれた制服を指差して先生はウインクしてみせる。少年が制服を確認すると、所々に血が落ちてない部分があるものの、外からはほぼ見えない。しかも先生の匂いがする。
「あんな血塗れだったのに……」
「大変だったんだぞ。過酸化水素やら次亜塩素酸やら色々試してなんとか形になったが……多分、繊維はボロボロだからその内新しいのに変えるといい」
「ありがとうございます」
少年は深々と礼をするとハンガーに制服をかけた。
「ちょっと待て、少年」
先生はハンガーにかけた制服を手に取ると少年に手渡し、着てみろ。と言う。戸惑いながらも少年は今着ている服の上から制服を羽織った。
先生は曇り空みたいな顔をして少年を抱き寄せると絞るように抱き締めた。
「必ず……見つけるんだぞ。本物の君を」
先生の腕の中はほのかにベルガモットの香りがした。
「君は偽物であっても……アタシの生徒だ。君自身のためにも、生徒会長のためにも……アタシのためにも……見つけてくれ……君にしかできないことだ」
少年は拳に一度力を入れて弛める。そしてゆっくりと先生の背中に手を回した。
「先生……」
先生の首がするっと回りこんだ。
吐息が首にかかる。
頬に柔らかい感触がくる。
互いの腕が緩む。
目の焦点が合わないくらい近くで見つめあった。
「アタシがその命拾ったんだ。アタシのワガママ、聞いてくれてもいいんじゃないか?」
「……ワガママ?」
「それを聞くのかい」
先生は少年の後頭部に手を添えて引き寄せた。流石に鈍すぎだぞ、と聞こえた。
口の中にベルガモットがゆっくり入ってくる。少年にはそれを拒めるはずもなく、続いて入ってくるヌメリのある感触を同じく受け止める。受け止めるというより、触れ合い、交差する。
グネグネと動くそれを確かに感じながら互いの息遣いが同調する。互いの体温を探り合う。
それは少年の口内をなぶり尽くすように隅から隅を堪能するように忙しく暴れ回った。求めに応じる少年は、それを自分のものと絡める。その度に粘液を奪われていく。
先生の激しさに、少年は片膝をついた。それでも尚、先生は上からの攻撃を止めない。それどころか少年の肩を押して床に釘付けにすると、次第に激しさを増していった。
先生に覆い被さられても、少年には抵抗する意志もない。ただ先生の望むままに食われていく。
食われながら服のボタンを1つづつ外されていく。上から順に、最後まで。
「美味し……」
大人はズルい。そんな恍惚とした顔を見せられて、そんな甘い声で囁かれて。少年の気持ちを強引に連れて行く。
目を瞑ったままの少年はとうに覚悟を決めている。抗うことなど最早考えていない。
「今日はベッドで、寝てくれるね?」
「…………はい」
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