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「うーん。なんかな、お父さんの会社が倒産して、みきちゃん、あ、今の子、みきちゃんっていうらしいんやけどな、は大学の奨学金を今頑張って返してるらしいねんな。ずっと昔からお医者さんになりたいっていう夢があったらしくて、勉強が忙しすぎてバイトする暇もないから仕方なく隙を見てこうやってお小遣いもらってるらしいわ。しかもお母さんの具合も悪くて入院費も稼がなあかん上に、弟が事故を起こして示談金払わなあかんていうて、お金がいくらあっても足りんて言うてた」
「すごい、絵に描いたような不幸だ。今の一時間でいくら払ったの?」
「三万」
「三万!!」
大野は弱々しく笑った。
「それで博愛主義の大野としては、満足したの?」
「よう分からん。なんか、お金渡したらそこで心の繋がりというかさ、なんか生まれんのかと思ったら、そんなことないねんな。お金出して、あざーっすみたいな軽いノリで受け取られて、それで終わりやったな」
「言ったじゃん。パパ活に愛なんかないんだって」
「うーん、そうなあ」
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