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そうなあ、と言いつつ、大野は懲りずにその後も何人かの女の子達と会った。流石にわたしはもうその場を見学しに行くことはなかったけれど、報告を聞く限り、女の子はまあどの子も似たり寄ったりなように聞こえた。会う、お茶をする、お金を払う。たまに、食事やホテルもつけるからあと〇万円足してくれませんか?というお誘いがあったりもするらしい。大野がその誘いに乗ったのかどうかまでは訊かなかったけれど、乗っていたとしてもおそらく大野の求めるものは得られなかっただろう、と思う。それでもわたしたちは、埋められない心の隙間を何とか埋めようとして試行錯誤して生きていくしかないのだ。
ずるずる、とお気に入りのラーメン屋でラーメンをすすりながら、今日もわたしは大野と語り合う。
「前にさ、言ったじゃん。男性は、リターンがないと女性とご飯に行ったりしないんだって」
「おう、言うてたな」
ずるずる、はふはふ。
「そのリターンはさ、若さだったり、かわいさだったり、ヤレそうかどうかだったり、仕事の便宜を図ってくれるかどうかだったりする訳じゃん」
「ふんふん」
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