あなたの賞味期限

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あれから季節が少しずつ変わっていき、二人でしてきたことを自分一人でこなしていく日々にも慣れてきた。 去年のクリスマス前には二人の関係は確かに終わっていたんだと思う。なのに馴れ合いからずるずると年が明けゴールデンウィークのころまで無駄に引き伸ばしていた。 去年のクリスマスに私は確かに感じていた。あなたはもう二人の関係を修復するつもりがないんだということを。 だからあなたが別の場所に部屋を借りると言った時、私もこの場所から出て行こうとあっさりと思うことができた。 お互いに責めることは全くなかった、これが私たちの5年間だったのだろう。お互いに全く執着することがない5年間。 あなたはわざと嫌われようと私たちの生活をママごとのようだったと言ったのだろうか。 そんなことを言われたからこそ何の執着も持たずにいられたのだろうか。 スマホがお節介に1年前、2年前の写真を編集して私に押し付けてくる。その時に改めて去年の今頃は、2年前の今頃は確かにあなたと一緒にいたことを思い出させる。 そんな時、私は今年はどんなことをしようかと考える。思い出に感慨深く浸るのではなくて。 きっともうあなたの賞味期限は切れてしまったのだ、もう味わうことはない。 あれからあなたもわたしもきっと変わった。だからこそ私にはもうあなたは必要ないんだ。 クリスマス、誕生日が過ぎて、もうじき春がくる。今年は今まで行ったことがないところで桜を見よう。 私はどんどん上書きされて、あなたにもう辿り着くことはない。
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