生き物と感情

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生き物と感情

 ペットとして飼われている犬や猫って、よく飼い主に似てくるとか言われるけど(もしくは飼い主が自分と似たタイプの犬猫を選ぶ)、色んな子(犬猫)を見ていると、確かに表情ってそれぞれ全然違うと驚く。  例えば、人間と同じように、「太郎ちゃん」と名前を呼ばれて、息子みたいに、本当に家族の“ひとり”として扱われているわんちゃんは、穏やかだったり、悲しそうだったり、どこか人間っぽい表情をしている気がする。  例えば、飼い主さんの気持ちを汲み取れたり、動物の命を救う難しさや、綺麗なことだけじゃなくて、現実の闇の部分まで知っている、でもそれらのことも全て受け入れて、向き合って、それでも自分のしている仕事に誇りを持っている獣医さんがオーナーの動物病院に住み込んでいる猫や犬は、どこか穏やかで、安らかな表情をしていたりする。前世は人間だったんじゃないかって思うくらい、人間ぽい。  犬っぽい犬、猫っぽい猫もいるけど、その持っている雰囲気の違いって、どこから来るのかと不思議に思う。  扱われ方、接しされ方で変わるのか、もともと何か感情があるのか、わからないけれど、私はそのそれぞれの表情を眺めているのが好きだ。眺めていると、その背景の家族の様子や、悲しかった出来事、嬉しかった出来事、色んな物語が知れる気がする。
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