やりすぎ女子高生

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才色兼備の女子高生は、あこがれの先輩に告白しようと考えていた。 彼女は美しく成績優秀で友達も多かったが、その理由は情報収集を怠らず一般よりも多くの努力を積み重ねることで自分というパフォーマンスを高められると信じていたからに他ならない。 先輩は付き合っていた恋人と別れたらしく、女子高生は友達を使って先輩の好みのタイプをリサーチすることからはじめた。いきなり告白して玉砕など許されないのである。 彼女の友達と昼食をとりながら調べてもらった先輩の情報を聞き出す。 メモを取ろうと少し興奮気味に「どうだった?」と前のめりで問い詰める彼女。 すると友達は、少し周囲の目を気にしつつ小声で答える。 「アソコの毛が薄いほうが好みだそうよ」 「アソコの毛?どこの毛よ?」 「そんなの恥ずかしくて言えないわ!別れた原因も脱いたら剛毛だったからみたいよ」 彼女は帰宅してすぐにキーワード検索で調査を開始した。 あらゆる情報を模索した結果「これだわ!」と先輩の好みのタイプであろう女性像を発見したのである。 次の日、彼女が学校に登校して友達や周囲は驚きを隠せなかった。 髪の毛はおろか眉など全身のあらゆる毛がそり落とされているではないか。 放課後、先輩に「好きです!付き合ってください」告白する彼女。 「無理!」と即答する先輩に彼女は「えぇぇ!なんで!?」と入念の調べた自信が崩れ去り思わず絶句した。 ちなみに彼女が検索で発見した理想の女性は【ベトナム北部ティントゥック民族の女】。 彼女たちは幼い頃から眉毛や頭髪など体中の毛を抜き続けてきたため毛が生えない。 なんでも「昔、髪の毛が入ったスープを女が飲んで死んでしまい、女が毛を伸ばすことがタブーになった」という言い伝えから現在では全身の毛がない女が美しく、毛があることが醜いとされているそうだ。 それがこの民族の美意識であり、女子高生は、先輩の理想の女性像はコレだと勘違いしたというわけだ。 END
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