人は見た目が9割

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学校でイジメがあれば助けに入るような正義感のとても強い転校生が入学してきた。 しかし転校生の顔は強面で、どうみても悪人面。見た目は極悪だが、そうしたイメージを払拭するかのごとく、彼はつねに正義を重んじて生きていこうとしていたのである。 新たな学校へ入学した転校生は偶然イジメと思われる現場を目撃した。金髪の男が、背の小さい軟弱男を殴っているのだ。 「なにをやっている!ヤメろ!原因は何だ?」 とっさに止めに入る転校生。それを尻目に金髪男が答える。 「原因なんてあるはずないだろ?俺はイジメ役で、こいつはイジメラレ役なのだから」 「原因も無く殴られていいはずないだろう!」 転校生にとって、まっとうな意見なはずだった。 「おい!お前ら!そこで何をやっている!?」偶然通りかかった、学校の先生の呼び声に対して金髪男は言い訳をする 「あ!先生!この極悪顔の転校生が、俺のイジメを止めようとするのです」 「なんだって?むしろ立場が逆じゃないのか?極悪顔ならイジメ役に加担するだろ?」 先生の言葉に転校生は耳を疑った。しかし背が小さく殴られていた軟弱男の言葉で、ますます理解に戸惑うこととなる。 「せっかくイジメラレ役に徹していたというのに、転校生が見た目のキャラにもない親切をするから困ってしまいまして。校則違反でしょ?コレ?」 助けたはずの彼にまで自分の行動を否定される。自分が今まで正義だと信じていた行動を認めてもらえない。 「イジメが正義とか本気でお前ら思っているのか?」転校生が、そう問いただすと、先生が問いに答えてくれた。 「この学校では弱い風貌の奴はイジメラレ役を担当し、真面目に見える奴が生徒会長に選ばれる。そうやって平等を保っている校則なのだ。人は見た目が9割だからな」 初対面の印象で全てが決まる。そんな校則を知り、転校生は走り去り、そのまま美容整形外科に向かい担当医師にすぐさま頼みこむ。 「いますぐ顔を整形してください!正義の味方に見えるように!」 END
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